サーフボードが剥離(ハクリ)したら、、

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サーフボードのハクリとは

サーフボードの本体(フォームと呼ばれるウレタンあるいは発泡スチロールの軽い芯材)にラミネートされたガラスクロスが本体から剥がれた状態をハクリと呼びます。

症状としては、サーフボードの表面がお餅のように膨らんだ状態です。

膨らむ原因はサーフボードの芯材から出るガス、あるいはクラッシュした際にフォームに残った水分など、サーフボードが熱くなることでガスや水蒸気が発生することが引き金になっています。

場所に関しては、ショートボードの場合はスタンスの位置が多く、ロングボードの場合はパドルするときに胸をつく位置やニーパドルのポジションなど、ショート、ロングを問わず、プレッシャーがかかる場所から発生しやすい傾向があります。

ずっと乗っても大丈夫な事もあれば、思ったより早く症状が現れる場合もあります。

何年も使っていて気づいたらハクリが発生していたという場合もありますが、圧倒的に多いのは車や炎天下で放置したら膨らんでた!というケースです。

熱が加わるとEPSは際限なくガスを出しますし、水分は高温化で蒸気になります。

体積が増えて行き場を失ったガスや水蒸気が、長年のプレッシャーでフォームもクロスもへたっている箇所をはがす原動力なのです。

サーフボードを踏み込んでターンする!それを遠慮してサーフィンなんか出来ないし、すべきじゃないですよね?

なので対策としてはサーフボードを熱くしないように気をつけるしかありません。

10年くらい前にパタゴニア の仕事で、サーファーのダン・マロイさんと一緒に旅をしたとき、カリフォルニアから一度も洗ったことのない濡れたウエットスーツをゴミ袋に入れて持ってくる道具に執着しない一面を見せてくれましたが、EPS製のサーフボード(FCDのDM3モデル)は食事の度に車から下ろして、車の下など徹底して日陰に置いてました。

それくらいリスクが高いので、吉野家でも油断しないでください。

ちなみにお餅みたいに膨らんでも、気温(サーフボード自体の温度)が下がると、一時的に膨らみが無くなります。

膨張した水蒸気が元に戻り、ガスもおさまるから凹みます。

そして、気温上昇の度にハクリした場所の際を徐々に広げながら成長して、最後はデッキ全面に広がります。

サーフボードのハクリを放っておくと

サーフボードのハクリは、いったん症状が出ても冷めれば凹んだり、そもそも穴が空いてるわけじゃないので浸水リスクも無いのでほっとかれる事が多いです。言い方を変えると、だいぶ重症化してからお持ち込みいただくケースが大多数です。

尚、ハクリしている場所はフォームが補強されていないのと一緒なので、衝撃が加わると簡単に折れてしまいます。

ヒビが入ったら、一瞬でサーフボード全体に海水が広がります。

ライディング中もサーフボードがブヨブヨして気持ち悪い乗り心地になったりします。

一言で言えば、真っ二つになるよりはマシですが、クラッシュしてできたキズよりタチが悪い、持ち主としては受け入れたくない状況ですね。

気に入ってる板がハクリするとかなりショックですし、もう終わったと思いたくなるほど切ないです。

お気に入りのマイボードのスタンス部分が見事にハクリ

サーフボードのハクリの修理方法

ハクリを修理する方法は大きく分けて、

再接着と再構築があります。

再接着は剥がれた部分にいくつか穴を開けてシリンジなどで樹脂を流し込み、重石で押さえるか、機材があればバキュームして、剥がれたものをもう一度貼り付けます。

この方法の良い点は、傷口が小さいので、リペア跡が目立たないことです。

しかし、「剥がれかけている」箇所、言うなれば半分ハクリしている箇所がそのままになってしまうので、修理した際からまたハクリが起こるという最悪のパターンもあり、範囲が広ければ、その可能性も高くなるので基本的に10cm以下の小さなハクリなどに有効です。

再構築は、ハクリしている場所を全部削り取り、その周辺も広く削ってパテあるいはフォームを移植して欠損した箇所を再構築します。このとき、パテを使わずフォームを移植することもあります。

この方法のデメリットは、それなりに樹脂を乗せるので重くなる事、そして広範囲になればなるほど費用がかかる点です。

しかしながら、サーフボードのデッキ側に20cm以上のハクリがあるときは、何よりもリペア完了後に再びハクリすることが怖いので、再構築で対応するようにしています。

ハクリはサーフボードリペアの中でも、もっともリペアが広範囲に及ぶので、しっかり補強をしなければいけないですし、それなりに色を合わせないと傷跡ばかりが目立ってしまいます。

色合わせは基本的にはエアブラシで調色したカラーを吹き付けて整えますが、ご要望に応じて同じようなカラーの樹脂を作り、それをラミネートする事もあります。

エアブラシ着色とピグメントやティントといった樹脂カラーの違いは、またの機会に触れたいと思います。

サーフボードのハクリの修理費用

サーフボードのリペアの中でも、ハクリのリペアは価格の幅が最も広く、範囲が狭ければ数千円で収まりますが、デッキの広範囲を再構築する場合は数万円〜10万円を超える見積りになる場合があります。

そのため、ハクリのリペアを頼む場合は、事前に見積もりを確認してから頼む方が良いでしょう。

あまりにも費用がかかる場合は、買い替え?も視野に入れる必要があるかも知れません。

湘南エリアでサーフボードのハクリのリペアーをご検討でしたら、当ホームページのお問い合わせあるいはLINE公式アカウントからハクリしている場所の写真を送ってください。

サーフボードの診断と見積もりを無料で行いますので、修理費用の目安を知る手段として気軽にご利用ください。

ハクリのセルフリペアの難易度は?

サーフボードのハクリをセルフリペアーする場合は、最低でも以下の材料と機材が必要です。

  1. レジンと硬化剤(EPSの場合は2液性エポキシレジン)
  2. クロス(1-2m)
  3. Qセル(レジンに混ぜてパテを作るためのパウダー)
  4. グラインダーかポリッシャー
  5. サンドペーパー(60,120,240,320)

使う材料や機材は他の修理とさほど変わりませんが、レジンもクロスも大量に使うので、電動工具無しでの研磨作業は、東京から千葉や湘南の海岸まで歩いていくぐらい時間がかかると思います、、

結論:10cmを超えるハクリはリペアサービスを利用された方が良いと思います。そして見つけたら出来るだけ早くサーフィンやサーフボードの事をよく知っている人に相談しましょう。

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