サーフボード作りとリペアの良い関係

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はじめまして。

湘南の葉山に拠点をおき、サーフボードを作ったりサーフボードリペアの仕事をしている森賢一と申します。サーフィンは23年ほど、コツコツと続けています。

G Land 2019 June

ブログでサーフボード作りの事とサーフボードリペアの事を少しづつ紹介していきたいと思います。

まずは私がどんな事を考えている人間か書かせていただきます。

最初の投稿にあたるこの記事では、サーフボードのリペアと新品作りを両方やると、相乗効果があるっていう考え方について展開してみたいと思います。

まず最初に手作業で作るサーフボードには、たくさんの工程があります。

大雑把にまとめても

シェイプ、ラミネート、サンディング、ホットコート、グロスコート、サンディング、ファイナルポリッシュ、フィン作り、フィンセットアップ、エアブラシなどなど

シェイプからフィン作り、そしてファイナルポリッシュまでひとりで全部こなす人もいます。

ガレージシェイパーと呼ばれる事が多いですが、個人でファクトリーを持っている方は全部やる人が多いです。

有名ブランドなど生産本数がある一定以上の場合は、工程ごとに職人さんがバトンリレーのように交代で作業を担当します。

シェイパーは文字通りシェイプだけを行い、ラミネートやホットコートといった樹脂系のプロ(通称ラミネーター)、サンディングやファイナルポリッシュなどの研磨系のプロ(通称サンディングマン「ウーマン」)それぞれがの行程を担当し、次の行程にタスキを渡していきます。

自分は最終工程のファイナルポリッシュ、通称「バフがけ」からサーフボード作りの仕事を覚えはじめました。リレーでいうところのアンカーです。

なんのために?

自分のためのサーフボードを自分でデザインし、それを自分の手で形にし、そのボードを使って人生最高のライディングをしたいからです。

実際、1年くらい前にサーフボードを自分で作るチャンスがあったのですが、リペア以外は大した経験も無い当時の私が作ったサーフボードは、調子の良し悪し以前に完成度が低かったです。

もっと良いサーフボードを作りたい。

そのためにはサーフボード工場で工程をおぼえるのが一番手っ取り早いと考えて行動した結果、運良くバフがけ(ファイナルポリッシュ)の工程を勉強させていただく機会に恵まれました。

求人広告に出ているような仕事じゃ無いので、本当に運が良かったと思います。

でも実際にファクトリーで仕事をはじめて、当たり前ですが自分が何も出来ないヒヨコだと分からされました。

見習いと言っても現場仕事のように掃除や親方の手元作業からのスタートでは無く、工程を任されるのです。

そのサーフボードを手にするお客様にとっては、熟練の職人か見習いかなんて関係ありません。

ピカピカに輝くサーフボードを待っています。

厳しさを感じる一方で、飛び込んだ事に後悔はありませんが、一流の仕事は一朝一夕で身につくものでは無い事も分かっていました。

やるしか無い!のです。だから熟練の職人さんだったら1時間で終わる作業もに10時間使い、なんとか人前に出せる状態に持っていきました。

今は当時10時間かかった作業を1/3の時間でこなせるようになりました。新品作りの作業は基本的には同じ事の繰り返しなので、集中して作業を行い、失敗から学び続ければ必ず技術は身に付いていくし、作業も早くなります。

ひとつずつ工程を覚えていけば、最後には全行程が出来る技術が身に付きます。そして、身につけた技術は経験と比例してレベルアップしていきます。言うほど簡単じゃなくて、きっとたくさんの壁にぶち当たると思いますが、サーフボードビルダーになるために覚悟を決めて毎日を捧げるのみです。

話は変わりますが、サーフボード工場で働き始めて半年くらい経った時に、自分でサーフボードのリペア屋さんをはじめました。高校生の時にバイトしていたサーフショップでリペアもスノーボードのワックスがけもしていたので、正確には再開したことになります。

自分のサーフボード、友人のサーフボード、友人の友人、職場の友人と、じわじわ頼まれる本数が増えていくにつれて、自分がこの仕事に向いている事が確信に変わっていきました。

波の良い日はずーっと海岸線(R134)にいたので、リペア屋さんの屋号は「Repair134」にしました。あんまり屋号で悩むよりドメインを取ってホームページを作り、開業する事を優先しました。

工房近くの葉山、逗子、鎌倉、横須賀だけでなく、オンライン上でサーフボードリペア Repair134を知ってくれた方と出会えるのも楽しみの一つです。地域密着型なので、サーフボードをピックアップに行ったら、海で会った事がある方だった!というサプライズもあったりします。

やっとこの記事のタイトルになりましたが、

サーフボードビルダーを目指す人はリペアを絶対にやった方が良いと思っています。

理由は、

リペアはサーフボード製造工程の全てが必要

→リペアは損傷箇所の修復です。壊れた部分にパテを盛り、シェイプして、クロスを貼り、サンディングして、必要に応じてエアブラシで色を整えます。

サーフボード制作の全行程がぎゅっと詰まっています。各工程で使う工具を日常的に使うので、リペアで積み重ねた経験は新品のサーフボード作りのベーススキルの向上に間違いなく役立ちます。

頭を使う

当たり前ですが、同じ傷は二つとありません。基本的な理屈と方法はあっても、サーフボードの状態、マテリアル、ユーザーの希望に応じて修理のやり方は変わります。

なので、どうやって直すのがベストか?毎回答えを探しながら作業をします。これは新品作りには無い苦労ですが、新品作りでも「なぜこうなったのか?」と思うトラブルが度々あるのが事実。

そういう時にリペアで経験した事があるトラブルだったら何らかの対処が出来ます。応用力や経験はインターネットより困った時に自分を助けてくれるわけです。

色々なサーフボードデザインに出会える

ショートボード、ロングボード、ミッドレングス、リペアに来るサーフボードは多種多様です。

世界中のシェイパーが作ったサーフボードに真剣に向き合えるのです。

リペアをしながら、そのサーフボードがどういう意図で作られたものなのか?を考えて自分なりに解釈します。

アウトライン、ロッカー、レール、テール形状、そして全体のボリューム、重さ、全体のバランスの取り方。

インスピレーションの源泉と言っても過言ではありません。

報酬を活動資金に出来る

サービスとコストパフォーマンスには自信がありますが、リペアは有償で承っております。

リペアで得た収入でビールも買いますが、サーフボード作りの材料を買ったり、サーフボードのテスト目的のサーフトリップに出かけるなど、サーファーとして、ビルダーとしての自分を向上させるための貴重な原資になります。

粉だらけになるし、孤独だし、かなり集中力も要するサーフボードリペアーという仕事。

楽ではありませんが、好きなこと、しかも没頭できることを仕事に出来て最幸なので、サーフィンもサーフボード作りも突き抜けたいと思っています。

今までも、これからも大切なサーフボードのメンテナンスを依頼してくれるお客様や友人に心から感謝して、より良い仕事、喜ばれるサービスを追求していきます。

はじめの投稿でまとまりにかけますが、自己紹介のつもりで書かせていただきました。

皆様、応援よろしくお願いいたします(その代わり、いつでも波を譲ります)。

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